2章②

       ◆  ◆  ◆


 多くの人で賑わうヨコハマの繁華街。

 普段から多くの人で賑わう町だが、この日は多くの人で朝から賑わっていた。

 その賑わいの中を、樋口と銀は歩いていた。

 様々な商店に入ったり、陳列窓ショーウィンドウを見ながら並んで歩く二人の姿は普通の買い物客か観光客にしか見えない。この二人がポートマフィアの遊撃隊と武闘派だとは誰も思わないだろう。

 それほどまでに、二人の姿は街に溶け込んでいた。

「ここに入りましょう」とある雑貨店へと入った。

 所狭しと商品が並べられた店内は他に客はなく、静まり返っていた。

「いらっしゃいませ」店内を見回していると、一人の店員が声をかけて来た。

「店主はいますか?」眼鏡を下にずらしながら用件を伝えた。

「・・・・・・お待ちください」店員は裏の事務所へと向かった。

 しばらくすると、店主の男がやって来た。

「樋口殿、お待たせしてしまい、申し訳ございません」

「構いません。こちらも急に来ましたので。それと、今は表側からの調査中なので、私の事は奈津と呼んでください」

「かしこまりました。ではあらためまして奈津様、本日はどのようなご用件でしょうか?」

「“魚”の販売に関するものを見せていただけますか?」

「・・・・・・こちらへどうぞ」裏の事務所へと二人を案内した。

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