みんなの二次元の初恋。
明鏡止水
第1話
タッチの浅倉南ちゃんにときめいたとか。
エヴァンゲリオンの綾波レイさんから目が離せないとか。
初恋、とまでもいかないまでも。心を射抜いてくる。鷲掴みにされた。こんなはずじゃなかった。それでも出会ってしまった。人生と思春期と心の琴線を震わせてくる「二次元」の存在って。
いるじゃ無いですか。(前提)
たぶん。
あと、二次元だからって、縦と横だからってけして、まあ、その。人間ぶっちゃけちゃうと性欲が湧かないかそうじゃ無いかというと愛したり恋したり感じたり。……うん。カンジルわけですよ。
性の目覚めとか劣情を。
不思議ですね。
「二次元とかゆー、アニメとか漫画にしか欲情しなくて性欲も湧かないなんて意味わかんない!!
フツーの存在してる人間に勃ったり濡れたりしないってどういうことよ?!」
というご意見も、あるでしょう。
しかし。
にんげん、ってマジでなぞ。
昔から存在しないものを崇めたり奉ってきたり憧れたりしてきたんだから。
もう。
「いまさら『二次元』に恋して愛して感じて貢いで支えてもらって心の支えで嫁もしくは夫ですが、ナニか?」
くらいには。
オタクや夢女子さんやらゲーマーやらマスターやら審神者やら、その、いっぱいコンテンツやキャラクターや「推し」を推している方にとっては。
次元なんて関係ない。恋は恋。愛は愛。
そして、愛するものと送る生活。
愛するものを愛してゆく今この瞬間一分、一秒、零コンマ一。
二次元、恋愛対象もしくは三次元目に入りません、みたいな心情の方。いませんか。
私が初めてハマった男の子キャラクターはですね。
ビックリマン2000だか、そんな名前の。
昔からある駄菓子のチョコレートのアニメで。
コーラルという女の子キャラクターの兄のアズールとか、なんかそんなような名前のキャラクターだった気がします。
思い出だけで語りたいのであえて検索しないで語りたいんですけど。妹のコーラルちゃんが出ている時は兄のアズールは出てこれず、アズールが出ている時はコーラルちゃんが出てこれない、みたいな設定だった気がします。
それで兄がおのれを犠牲にすれば妹のコーラルはずっと表面に出ていられるというので自ら消滅する、みたいな、そんなよーな話を小学生の時に見たのですよね。
当時は私は自分という、こう、自己? 自分自身というものがなくて、友達が好きになったものは自分も好きになる、応援する、それを負担には思わないし友達ともそれで話が盛り上がるしその日一日一日を仲良く綱渡りながらも過ごせるなら、「自分の『好き』は他人の『好き』」ってくらいに自分がなかったんです。
なまえもうろ覚えですが、それでもそのアズールってキャラクターも、友達が先に好きになって、私もいいキャラだ! カッコいい!! ですきになる、というよりは応援する。
そう、子供の頃って何気なく眺めてたけど、気持ちが伴っておとなに少しなれたら、なにかを応援できるみたい。そして、感動する。
アズール! すごい、消えちゃうんだ!!
妹のために果てるアズールを悲しいとは思いませんでした。
そんな感じで、明鏡止水は男の子キャラを「好き」になれるようになったのです。
次にきたのがNARUTOのサスケですかね?
クールなタイプは女子に人気。
しかし、長い間サスケを「応援」しといて明鏡止水さん。
サスケの兄、イタチさんが出てきたら一瞬でころっといきます。
一族滅ぼしたりやってること非道なのにとんでもねー男に惚れます。
そう。
好き、とか応援、を通り越して。
ここでなんとキャラクターに「惚れる」という、恋はするものじゃなくて落ちちゃうもの的な感覚と意識をつかんでしまうんですね。
いやあ、すんごい、中学生のころは毎日のようにサスケもしくはイタチ兄さんどうこうで。でも、オタクとして私はまだまだでしたね。
絵がうまくてジャンプ購読してて他校とも交流のあるアクティブなオタクというか、社交的なオタクもいるわけで。それが理由というわけではないですが。
そういう広い視野を持つ人々はさすが。
作品ごとに「好きなキャラ」がいる!
……いまでこそ、推しが複数いようが「他ジャンル」だの「他作品」だの、同じ作者の新連載や既存の作品だの。もう、縦横無尽に愛や推しは走り回っていますけど。
どうも私はそこのところ社会の縮図も自分の展望もしっかりしてないやつだったので、浮気に思えてしまって。せいぜいサスケと同じ声優さんだからとBLEACHの石田雨竜が好きかもしれない、と言い出してはみたものの、声だな、今なら言える。好きなキャラの声で幻覚をクインシーに見せられたのだ。
ああ、平成が懐かしい。
そんでもって令和のアニメーション、美術すぎない?
美しすぎない?
べつに汗くさい少年漫画が読みたいぜ!
錬成してくれよ、ホムンクルス!
海賊王になるためにひとつなぎの財宝がもう一度欲しいわけでもラフテル目指してるわけでもないんですけど。
とりあえず、今でいう
「沼」。
あんまり「推し」とか「沼」とか平成の拗らせたオタクおばさんな私は使いたくないんですけど。
当時。あの私たちに恋愛感情や嫉妬、浮気心。憧れやいじらしさを教えてくれた「おとこたち」はヒーローでした。
一周まわると尊敬するし、下手したら拗らせたまま再燃させてもっかいグッズ集め出しちゃうから。
この間のNARUTOのうちは一族とか写輪眼が主の一番くじホント引こうか迷った。
お金ないし、もう、私はイタチ兄さんをそこまで愛していない悲しい元片恋こじらせおばさんになってしまったから。
それでも、最終巻まで読んでうちはイタチさんのサスケへの兄弟愛は尊敬してる。
ずっと愛している。いつまでも愛してる。なにがあっても愛している。命がけで愛してる。
我ながらすんげー漫画のすんげー男たちに惚れてきたもんだ。
だから現実うまく生きられないで精神疾患持ってて人よりずっと幼くても気づかないままで、独り立ちもできない、でも、クズじゃない、そう信じて生きられる。
ぼくたちわたしたちが愛してきたキャラクターは、これからも愛していく、出会っていくキャラクターは。
生きてたなあ。
生きてたから、読んできた。
観てきた。
聞いてきた。
五感で感じてきた。
いままでも、これからも。
無気力でなににも出会えない日々がいつか来ようとも。
どう、この文章を結べばいいのかわからないのですがねー。
みんなの初恋はナンデスカ?
みんなの二次元の初恋。 明鏡止水 @miuraharuma30
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