ある日から赤い糸が見えてきたんですけど、なんでわたしの運命の人はあいつなんだ!
愛歌真
プロローグ
授業中の教室。先生は黒板に書きながら説明している。
クラスのみんなは黒板を見ているけど、朱莉だけは他の所を見ている。
先生の糸は誰と繋がっているのかな。
朱莉は先生の右手を見ながら思った。
目には見えないけど人は運命の相手と赤い糸で結ばれている。そして春咲朱莉の目にはそれが見える。どういうわけでこんな能力を得たのかわからない。ただ、数日前から人々から赤い糸が見え始めた。
運命の相手をわかる能力。人なら誰でも一度くらい自分の運命の人を知りたいから。
でもこの能力あまりいい能力ではないんだよね。
朱莉はため息をついた。そして自分の右手を見下ろす。朱莉の薬指に赤い糸が結んでいる。
この赤い糸が見え始めた時は誰が運命の人かワクワクした。一刻も早く運命の相手を知りたかったし、会いたかった。しかしその時のわたしはとっても大事な事実を一つ見逃していた。それは
運命の相手が必ずしも自分が望む人ではないかもしれないということ。
「遅れてすみません」
そんな中、いきなり教室のドアは開き男子生徒が教室に入る。
「田中まさか今登校したのでは」
「はい。今登校しました」
「・・・あなたいったい今何時だと思ってこんな時間に」
「まあ十一半ですね」
彼は堂々と答えた。その姿に先生は二の句も継げない。
制服のシャツ出しと頬に貼っている絆創膏、遅刻したくせに堂々たる。その全てが朱莉は大嫌いだが、一番嫌なのは
一体なんであいつの糸がわたしの糸と繋がってるんだよ!!
そう、田中蓮夜。クラスで一番不良で関わりたくない人である彼がわたしの運命の人であるのだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます