なんと、あの「伝説のお菓子」があこがれとして描かれている。
そこになんとも言えない数奇なものを感じ取りました。
チェリーパイ。これは知る人ぞ知る、いわくつきのおかし。
九十年代に社会現象となった海外ドラマ「ツインピークス」において隠れたキーアイテムとして登場し、作中人物が店でチェリーパイを食べる場面があると、その後に町では不穏な事件が必ず起こる、という「裏設定」が作られていました。(NHK教育の『グレーテルのかまど』という番組でやってた話)
やはりこのチェリーパイというお菓子には何かがある。
「不思議の国のアリス」から存在を知り、チェリーパイに憧れを持った作者。そして時が経ち、現実のチェリーパイを食べられる機会に。
食べることによって「事件」が起こるかもしれないチェリーパイ。それを注文して食べようとしたことにより、「何か」が起こる……かもしれない。
このチェリーパイとの出会いが一体何をもたらしたか。本編を読んでたしかめていただきたいです。