頭からつま先まで
トン・カツヤ
第1話 いつのまにか、どこに行ったのか
子供の頃は、いろんな想像力が働く。
おもちゃが散らかっていても、ピクサーの映画のように、人がいなくなるとみんな自分でおもちゃの箱に戻るからそのままで良いとか。
この自由奔放な想像力や今生きている世界への期待に親としては片づけをしっかりしないといけないと注意したい気持ちとこの想像力を削いではいけないと思う気持ちと絶妙に重なって、すぐに注意できないでいる。
おもちゃも散らかっているが、色鉛筆もちらかっている。
色鉛筆こそ急に赤色がなくなったり、黄色がなくなったりする。
色鉛筆こそ、勝手にどっかにいってしまってるのではないか。。
そんな事を思いながら、カーペットの下、机の下、テレビ台の下など覗き込んでは見つからない。
年を重ねていけばいくほど、いろんな人がどこに行ったのか分からなくなる。
中学時代、あんなにずっと一緒にいたのに、どこに行ったのか。高校時代のあいつもどこで何をしているのか。
専門学生時代のあいつもどこにいったのか。その道で暮らそうとしていたのに、SNSで見ると写真家になっていたり、怪しいネット販売に精を出すやつまで現れていた。
ネットではみんながいるようにも思うが、気が付くと周りにあんまり人がいないことに気付く。
そしてソファでゆっくりテレビを見ながら一緒に笑っている妻、絵を描いている子供、テレビの声に負けないくらい、横で幼稚園で習った歌を歌って披露してくる子供。
家族が一番こころが安らぐことに気付く。
頭からつま先まで。
頭からつま先まで トン・カツヤ @su-n-mi
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