第2話 そんな時代ではない1
「省吾さんすいません。」
朝の仕事場佐々木がこないことにイライラしながら段取りを組んでいたとーさんに、佐々木は15分遅れでやってきて声をかける。
「……」
昨日は休みで高知市をいろいろ調べて行く気になってきたとーさんは、遅刻するやつが大嫌いだ。
「省吾さん休みのあいだにちょっと仕事中に転んじゃって、手をついた指がどうも痛くて。」
だからどうした?俺は前の会社で腕折れてても一日も休んでないけどね。という言葉が喉まででるがそんな時代ではない。
「大丈夫?で、どうするの?」
「今、係長課長に相談したら今日は急遽高橋さんにお願いしてやってもらうことになり、僕は病院行けって…。」
半年前まで自分たちの班にいた高橋さんならなんとかとーさんがフォローすればなんとかなるだろう。
「わかった。で、どうするの?」
「病院開くまで高橋さんの手伝います。」
「出来るの?指痛いんでしょ?」
「出来る範囲でやります。」
「わかった無理のない範囲でお願いしますね。」
あわてて高橋さんがやってきて佐々木さんと仕事を始めた。高橋さん人間関係で孤立してよそに行ったのに、気の毒な事です。でも、助かりました。とーさんは高橋さんの仕事をいくつかこっそり負担してあげました。
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