ひなまつり
魔女っ子★ゆきちゃん
異世界のひなまつり 前編
1 日が沈み辿り着いた町
私達は、見知らぬ大地をあてもなく
半日で着くと言われた街を目指してはや3日目。今日こそ辿り着けないと、水とか食料である干しスライムも底をついてきましたし、お風呂にだって入れていません。
「う〜っ! もう限界! 死ぬ〜っ!」
魔法使いである
「こんなところで留まっていても、事態は一向に改善しないぞ? 立ち上がって先を急ぐんだ、紗菜」
戦士の
「そんなこと、わかっているわよ〜ぅっ! でももう歩けないんだから仕方ないじゃないっ!」
「それならば、ひとりここで残るがよい。皆、先を急ごう!」
「まあまあ、少しここで休憩をしようじゃないか。お昼もまだだったしな」
紗菜ちゃんと華ちゃんの間に割って入るように、リーダーである勇者の
結局南極、そこで休憩を取ることとなりました。
休憩後、再び歩き出す4人。
なんとか、町を見つけ、辿り着いたのは、日が沈む寸前といった時間でした。
町に入ったところで、ひとりのおじさんと出会いました。
「こんな小さな町に訪れるとは。あなた方も『ひなまつり』が目的ですかな?」
2 なんだって! 異世界にも『ひなまつり』があるだと?
「『ひなまつり』? この世界にもひなまつりがあるんですか?」
僧侶である私、
やり取りの結果、私達が知っている『雛祭り』とは全く別のモノであることが判明しました。
おじさんと別れて、宿屋に。
バブル風スライムのように、溶けてとろけて眠ってしまいそうな紗菜ちゃんを引き連れてお風呂へ。
久しぶりにまともな食事を取ると、ようやくみんなが生き返ったように、元気を取り戻しました。
3 まあトリあえず行ってみようよ?
『ひなまつり』とは『ひなま』釣りのことでした。
なんでも、この町の近くにある湖に『ひなま』が居て、それを釣るのが『ひなま釣り』ということです。捻りも何もない……。
『ひなま』は食材として、とっても美味らしいんだけれど、誰もが釣れるというものでもないらしいのです。
主に若い女性が、『ひなま』釣りに最適とのこと。男性ではダメということはないけれども、女性の方がよく釣れるみたいです。
体力的なことでいったら、男性の方が釣れそうに思うんですけれどね?
「まあトリあえず行ってみようよ?」
「そうだな。『ひなま』は高く引き取ってもらえるということだし、ここで軍資金を蓄えるのも悪くないだろう」
そんなこんなで、町で『ひなま釣り』の道具等を揃えて、私達は教わった湖へと向かいました。
続く
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