今日の夜

スライムの一夜干し

第1夜

 眼を開けてベッドから体を起こす。

 家の中を歩いて玄関まで向かう。キッチンの水道から水滴が落ちる音が妙に気になる。

 寝巻のまま玄関から外へ出る。外は暗く月明りと遠くの自販機の明かりだけが静かに照らしている。


 通りに出てコンビニまで歩く。少し肌寒い。

 人のいないコンビニに入り暖かいお茶を手に取る。レジに人は居ない。ポケットからお金だけ取り出してレジに置いて外に出る。

 コンビニの前でお茶を飲み干す。ペットボトルをゴミ箱に捨てて大通りに向かう。今は寒くない。


 大通りも人は居ない、黄色信号が点滅している。

 大通りから河川敷に向かって歩いていく。


 河川敷は雨が降っている。

 雨に濡れながら川を眺める。遠くで魚が跳ねているのが見える。


 家に向かって歩き始める。寝巻は濡れていて肌に張り付く、少し寒い。

 来た時とは違う道を歩く。雨はもう降っていない。


 途中の花壇に黄色い花が咲いている。遠くの空が明るくなってきた。

 家から見た自販機がある。ポケットを探るがもうなにも無い。


 扉を開けて家の中に入る。もう寝巻は乾いていた。

 再びベッドに入って目を閉じる。キッチンからの水音は無かった。

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