プロローグ

────『鴉(カラス)』



鳥類のなかでも最も知能が発達しているといわれる「スズメ目カラス科」の総称。


人間と同じように一羽一羽に個性があり、役割があり、格がある。



陣地の周辺の安全を見回る"偵察隊"


餌と安全を確保するため、敵の陣地を見回る"密偵隊"


敵が襲ってきたとき、自らが「槍」となって飛び込む"攻撃隊"


同じく敵襲の際に、自らを「盾」にして群れを守る"防衛隊"



そして…

それらを統括するたった一羽の"ボス"



縄張り意識が強く、常に群れで行動をし

不用意に近づく者には威嚇、それでも立ち去らなければ攻撃をしかける。



しかしそれらはみんな自己防衛反応で、こちらから攻撃することはない。



もし敵が襲ってこようとするのなら仲間に伝達し集団になって己の陣地を守る。


つまり仲間が窮地のときには飛んで助けに向かう。



「太陽の使い」や「神の使い」として古来から世界各地で崇められてきた生き物であるのにも関わらず


恐怖を連想させる漆黒の羽とその高い知能ゆえに「悪」や「不吉」の象徴として人々から忌み嫌われるその存在。




その羽に



数え切れないほどの"仲間"を背負っているとも知らずに─────。



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