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「あ、あの…、見吉さん!ごめん!」




そして今度は俺が大声を出す番となった。




「何で柴田くんが謝るの?」


「それは、俺が中々インターホン押せなかったから通報されちゃったわけだし、それで見吉さんに迷惑を掛けたばかりかこの場を収めてもらう羽目になっちゃって申し訳ないと言うか、自分が情けないと言うか…」


「何だそんなことか。気にしないで、柴田くんは何も悪くないから」


「いや、でも…、俺がもっとちゃんと否定してたらこんなことには…」


「強いて言えば通報者には少し悪意を感じるかな。でも警察がそれを教えてくれるとは思えないし…。だから初めから柴田くんを疑って掛かってた警察と、それを遠巻きに見てる近所の人達にムカついちゃったんだよね」


「……見吉さんでもムカつくことってあるんだね」


「そりゃあるよ、人間だもん」




確かに。

でも初めて見た時の彼女はどこか人間離れしていて、何とも近付き難い雰囲気を醸し出していた。

今はそんな風に感じないけど…、あれは俺の気のせいだったのかな。




「それに、やっぱり友達が変質者扱いされるのは嫌だもん」




……やっぱり、気のせいだな。




彼女の美貌は人間離れしているけど、彼女と友達になってから近付き難いオーラを感じたことは一度もないし、寧ろ彼女の笑顔を見る度に彼女との距離が少しずつ縮んでいくような気がしていた。




夢?



錯覚?



妄想?



幻想?



願望?




……いや、もう何でもいい。


好きなように言ってくれ。


実際、彼女の友達ポジションを勝ち取ったのだって夢みたいな話なんだ。


多分、一生分の奇跡って奴を使ってしまったんだと思う。


そうでなければこんな俺に彼女の友達ポジションなんて舞い込んで来るはずがない。




「あ、りがと…」


「お礼を言われることなんてしてないよ」




そのくらい俺と彼女は住む世界が違う。




「そんなことより早く中に入ろう。妹も柴田くんが来るのをずっと楽しみに待ってるんだよ」


「妹?見吉さんって弟だけじゃなかったんだ」


「うん、私と弟と妹の三人姉弟なの。弟は今バイトに行ってていないんだけど、二人共凄く良い子達だからきっと柴田くんともすぐ仲良くなれると思うよ」


「だといいな…」




でも、これだけは言える。




「大丈夫、柴田くんは友達スキルが高いから」


「ははっ、何それ」






















―――ああ、今日も君が好き。

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