始まり
序章
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「本当に好きな人ってね、その人が自分以外の誰かを好きだとしても悲しくないの」
「その人の幸せを願えるだけで温かい気持ちになれるものなのよ」
昔、従兄妹の姉ちゃんがそんなこと言っていた。
あの時の俺はまだ子供で何を言っているのかさっぱり分からなかったけど、大人になった今ならその感情がよく分かる。
ずっと笑顔でいて欲しい。
彼女には、誰よりも幸せになって欲しい。
そんな彼女の隣にいるのが、俺じゃなかったとしても―――。
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