紫陽花の咲く頃に
有安美優
第1話
序章
まだ蕾で、花咲く時を待ちわびている紫陽花を手入れしている彼は、この寺の住職だ。
彼は、 この紫陽花の庭を雨の日も風の日も手入れを怠る事なく世話をしていた。
毎日雑草を抜き、落ちた葉を腐葉土にしてそれを土に与えていた。
「綺麗に咲くのだよ」
彼の想いに応えるように、庭に咲く紫陽花はすくすくと育っていった。
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