ツクリモノたちの、生まれ直し。


自分はアンドロイド、人工知能だと告白した愛海。
主人公はその告白をどう取り扱えばいいか戸惑いながら、それでも、そのなかに隠れている彼女の本心、ほんとうの気持ちに触れて揺れるのです。
彼自身も、ツクリモノ、だったから。

そんなふたりが目指したのは、海でした。
まっくらで、きっといろんな匂いがぶわりと彼らを包んだことでしょう。
まるで、おかあさんのお腹のなかにいるように。

誰かに作られた身体、立ち位置、生きる場所。
与えられた、命。
きっと青春って、そういうのをもがきながら脱ぎ捨てていく時間なのだろうから。

これは、ツクリモノの二人がホンモノの世界を取り戻すまでの物語。

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