第41話

「俺傘持ってない…」

「あたし折り畳み傘持ってるけど、蓮持ってる?」

「持ってるわけない」



サツキ先輩と蓮先輩は傘を持っていないらしく、流石雪先輩は鞄から花柄の可愛い折り畳み傘を取り出した。


折り畳まれた傘を開いたが、やはりそんなにサイズは大きくない。



「折り畳みだから流石に3人も入れないよ」

「俺別にいい」

「いや、蓮おまえ雨に濡れるの嫌いだろ?いいよ俺が」

「おまえら使えよ」



譲り合いでモメる三人を、オロオロした様子で見ていた私だったけどハッと思い出す。



「あのぉ…これ、よかったら」



私も持ってた。折り畳み傘。

朝天気予報で言ってるのが聞こえて、慌てて鞄に放り込んだんだ。

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