第14話

カップルのキスシーンをバッチリ見てしまったからだ。




もちろん顔は見えないけど彼氏が彼女の耳元に優しく手を添え、濃厚なキスをしていた


しまったと思いゆっくり後退りするが、ここもお決まり…落ちていた空き缶を蹴ってしまいこれでもかと大きな音が鳴る。



なんでこんな所に空き缶が…!



気付いたカップルがパッと私を見た。


もちろん見事に目が合う。




「「あ」」




私とカップルの彼氏側の声が重なる。


そこにいたのはサツキ先輩だったのだ。




「あー、愛那ちゃんだー」


「サツキ先輩…す、すみません!!」




私は一気に顔を赤面させて頭を下げる。


知ってる人の、サツキ先輩のキスシーンをバッチリ見てしまうなんて恥ずかしすぎた。




「あはは、いいよー」

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