第13話

朝起きた出来事は瞬く間に学校中に広まったらしく、クラスでうまく友達ができなくなった。


それどころか、女の子たちは遠巻きに私を噂しどこか冷たい視線を浴びせる。



どうやら私は憧れの蓮先輩に近づいた抜け駆けの小娘と捉えられたみたいなのだ。



完全に退けものにされてしまった私は、教室でポツンとする日々が続く。


蓮先輩と話をしたのはあの一回だけで、何も関係ないのになぁと思いながらも昼休みはいつも居心地の悪い教室から抜け出す。


原則として昼食は教室で、ということになっているから友梨と落ち合うこともできないでいた。




「あ」




いつも食べてた中庭には人がいて、私は他にどこかいいところがないかと歩きまわっていて。


そしてやっと見つけた屋上までの階段の踊り場。



それなのに、カップルが先約してて私は小さく声を漏らす。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る