第5話

「それはなんともありがたいことだけど…その人恐ろしくない?」


「確かに。喧嘩強いってことだしね…」




もしかしたらその人だって強面のガッチリ系で、めちゃくちゃ恐いかもしれないし。


珍しく同意したかと思えば、すぐにまた勢いよく話し始める友梨。




「でも!兄貴曰く、信じられないくらいのイケメンらしいよ!」


「イケメン?」


「そう!イケメン!」




女子高生が絶対思わず食付いてしまうワード。


申し訳ないが今までの否定的な意見から一変、私もちょっとテンションが上がってしまった。


友梨はそれをさらに上回るテンションだけど。




「超テンション上がってるね、友梨」


「信じられないくらいのイケメンってさ、見てみたくない?」




“信じられないくらい”てところはかなり重要だ。


誰もが認める…とかなら聞くけど“信じられない”なんて。

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