第2話行きたいです!

 私は慌てふためく八逗江に引き摺られるように図書室から出された。

 その際に紺閤という図書委員である男子生徒が図書室に遅れて来て、呼び留められたが八逗江が体調が優れないそうなので保健室に連れて行きますと言い残され、制止を振って連れ出された。

 私は遠ざかる紺閤の顔に不満を露わにした表情を認めた。

「八逗江さんっ!八逗江さん、あのぅっ……まだやる事がぁっ——!」

「駄目ですっ!恵華先輩によって悪評が広まるなんてまっぴらです!もう戻れません、図書室に返したくありません恵華先輩を!」

「ごめんなさい、だけどぅ……紺閤くんに任された務めを全う出来ない先輩なんて思われるのはぁっ——」

「明日ぁ私からも謝るのでそんなことは諦めてください!私のこれからの高校生活を思えば先輩のそれは大したことないです!抵抗はやめて大人しくしてください」

「大したことないって……私にとって……ペットを望んだとはいえ……」

「あぁああーっっ!!グダグダ言うなら、先輩の制服ぅひん剥いて裸にさせて辱めますよっ!!」

「……はぁ〜ぁあんんっっ!やっぱり八逗江さんは否定しては居たけど、そーいうのが好きなんだね。八逗江さんが満足するならそうされても構わないくらいではあるぅ……んっ……だけどぅ、八逗江さんにだけ私の身体ぁ余すとこなく舐めるように見られたいですぅぅ」

「変態だぁぁ……この先輩ぃ。今のはその……あのぅ……しませんからそういうのは。お願いですから、大人しくしてくださいぃ……」

「ゾクゾクしちゃうぅ〜その瞳ぇ!!八逗江さんのお家ぃ行きたいですぅ〜!」

「良いから黙ってぇぇ!!もうぅっっこの先輩はぁぁっっ!!!連れて行ったら大人しくしてくれますか?約束できますか?」

「はぁいぃっっ!八逗江さんのお家にお邪魔出来たら命令されたことは全てこなしますぅぅっ!!」

 廊下を大股で歩いていく八逗江は練習をしていた吹奏楽部の数人の生徒から視線を注がれていたが声を荒げ、下のフロアに下りる階段へと急ぐ。

「わかったぁっ!分かりました、連れてきます!なので落ち着いて、普通に歩いてください」

「はい。約束するから離してください……八逗江さん」


 私は八逗江のお宅にお邪魔できることになって満足した。

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