第29話

ひなこちゃんが眠る病院に着く。


「遅くなってごめんね。」


でも、ひなこちゃんだって。


「助けて、って言うのが遅すぎるよ。」


それに、伝え方がおやじに化けてって。


ぴっぴっ。と電子音だけが部屋に響いていた。


ひなこちゃんの時間はあの日のまま止まったままで、私だけが全部忘れて誕生日を迎えて1つ大人になった。


ひなこちゃんの病室には幼き頃の私たちの写真が飾ってあった。


そして、久しぶりに見る交換日記があった。

懐かしいな、流行ったよね。交換日記。

なんの気なくペラペラとめくる。


絵しりとりのコーナーがあった。

りんご→ごりら


一枚、また1枚とめくる。


ラジオ→

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