第24話

4月23日


おやじの元気は相変わらずない。

無理して元気なふりをしてること、気づいてないわけないじゃん。

でも、気づいてるだけ。

何もできてない。


元気のないおやじを置いて、大学に行くか。それとも今日は家にいるべきか。


悩んだ。

だけど、大学にはキラキラした日常がある。

つい、そっちの方に行きたくなった。行ってしまった。


選択肢が二つ以上あるとき、どちらを選んでも後悔するタイミングは必ずある。


だって、選ばなかった方の未来なんて知ることはできないから。

想像の限りではそっちの方が良かったって思うけど、きっとそっちの道を選んだとしても、あっちを選んでたら…って考えてたと思う。


それが分かってるから、選ぶのが怖かった。

だから、何か理由がある方

後で言い訳ができる方 をいつも選んでいた。


そういうちょっとの逃げが重なって今がある。


大学の友達に相談するって手もあったかもしれない。けど、おやじの話をして引かれないか、とかまた自分の評判を気にして動けなかった。

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