第13話

4月12日


昨日、お母さんが来てあの子の話を聞いた。

私と仲良かった子。

でも、なにかがおかしい。


って、変なおやじが見えてる時点でもうだいぶ前からずっとおかしいんですけど!!!


だいたいから、あの子の記憶だけすっぽり抜けることなんてある…??


てか、そもそもおやじってなに…??


不思議と今まであまり感じることのなかった疑問が次々と浮かんでくる。


「ねぇ、ヒナコチャン〜!!」

「・・・」


あ、そうだった。

おやじは何故か昨日から帰ってきてない。


昨日は、拗ねちゃったのかな〜?なんてあまり深く考えることもなかったけど、、、


「おやじ!!おやじ???」


いつもじゃ考えられないくらいのスピードで身支度を済ませて外に飛び出していた。


大学に行くことなんてすっかり忘れて。


えっと…、とりあえず、原宿…!!


って、おやじ!?!?


神出鬼没のおやじ。

心配して損した。


「こんなとこでなにやってんの?」


「いやぁ〜、もうお母さん帰ったのかな、とか外からじゃ分かんないし、入ってもいいものかと悩んでたらこの時間になりまして…。」


「もう!!!バカ!!!入っていいに決まってんじゃん!!ここは、おやじの家でもあるんだからね!!」


"ここは、おやじの家でもあるんだからね"

自然と口にしていた。

それくらい、おやじといることが当たり前で。

特別だと思えないくらい、すごく普通の

それでもって、幸せな毎日だった。


「心配させんな!バカ!」


「えー、ハルカ、心配してくれたのか〜?」


「もう!うっさい!」


そうやって、いつものように喧嘩して笑いあった。

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