第31話

「もしもし〜のぞみ?」




3年ぶりに聞く元彼の声。





「そうです」



「うわ、めっちゃ久しぶり!覚えてる?」



「覚えてるよ」



「ならよかった(笑)」



「てか逆に覚えてたんだね」



別れたあと、ケイスケは何人もの女性と付き合っていた。だから、2ヶ月も付き合っていなくて、デートなんて数回しかしたことのない私の存在なんて彼の中からとっくに消えてしまっているもんだと思ってた。




「覚えてるわ!だって、彼女から誕生日プレゼント貰ったののぞみが初めてだったし(笑)」



「えー嘘だぁ」




デートする日がケイスケの誕生日と丸かぶりの日があって、その日に香水をプレゼントしたことがあった。

そのこと、私の方が忘れてた(笑)




「ガチだわ!だからマジで覚えてる(笑)つーかヒロと付き合ったんだな。こいつマジのぞみ可愛いのぞみ可愛いってうるせーよ(笑)」



「なんだそれぇ(笑)」



「ま、そんだけゾッコンらしいです(笑)ヒロのことよろしくな!ちなみに別れたら俺んとこ来てもいいよ(笑)」



「いやいやいやいや」





ここでヒロの声が聞こえてくる。




「ケイスケ君マジそれはダメっす!別れる前提なのやめてくださいよ〜(笑)」



「いいだろ、別れたらの話だし(笑)」





2人の会話を聞いて笑ってしまう。






「じゃ、ヒロに代わるな」





ヒロとまた少しだけ話して、電話は終わった。






まさか久々に中学生の頃に付き合ってた元彼と話すことになるなんて思わなかった。




けど、懐かしい!とは思ったけど別にそれ以上の感情は湧かなかった。



きっともう絡むことはないだろう。

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