第95話

このまま放置していたら近所迷惑で騒音騒ぎのクレームになる恐れがあり、社長を止めるために急いで玄関へと飛び出すが。別の意味で、すでに間に合わなかった・・・・


『あの人って、もしかしてリーベンビルズの社長さんじゃない?』

『本当、絶対そうよね。木瀬さん宅に何の用かしら』

『問題を起こしたんじゃない? じゃなきゃ社長直々に来ないわよ』

『まさか犯罪関係かしら……』

『それにしてもカッコいいわね』


 ご近所さん好物の噂がヒソヒソと聞こえてくる。しかも本人に対する感想付きで。


「こんなところで何しているんですかッ」

「それはこっちのセリフだアホ! なぜ俺の許可なく黙って勝手に出て行ったんだ!」


 ”許可なく勝手に出て行く”なんて、まるで監禁先から逃げ出したような言い方。そんなのがご近所に聞かれたりでもすれば、犯罪事件が色濃くなってしまう。


「こんな住宅のド真ん中でそんな誤解を招くような発言を大声で叫ばないでくださいッ それでなくても社長は存在自体が目立つんですからッ」


 言ってるそばから本人も叫んでいる。

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