*護られる意味

第58話

時を同じくしてイトカはこれから起こる悪夢に、不安と恐怖を抱えながら

高層フロアから見える夜景を覚悟の思いで見つめていた。


 初めて訪れる55階 ― 会員制VIPバー ―



 煌びやかなイブニングドレスを着た若い女性達と高価なスーツを着た男性達が、それぞれの席でグラスを合わせて楽しそうに会話をしている。


 その一方でドレスコードなんて持ってないイトカは、ネイビーブルーのフォーマルワンピースと明らかに場違い。それだけに目立ってしまい、顰蹙ひんしゅくの眼差しを受ける羽目になった。


「どちら様でしょうか。ここは会員様のみ参加出来る場所」

「えっと……私は……」


 『金我様に呼ばれました』と言おうとしたが身分証や会員証を身に着けておらず、信じてもらえるか心配になっていると……


「こっちへ来い、掃除屋!」


 場内に響くほどのド迫力な声でイトカを呼びつける金我。その声で瞬く間に注目を浴び、思わず俯きながら彼の席へと近付いた。


「やっと来たか。なんともまぁ……滑稽な服装だな。さすが掃除屋」


イトカを見るなり嘲笑う金我。

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