第11話

急に黙ってしまった社長。大切な多業種界の会議で発信してしまった事に、完全に怒っているんだと理解した。

 そして社長が口を開く。


「面白い女だ。採用してやる」

「・・・え?」


 思い掛けない言葉に瞬きを数回。


「今日から正式にこのビルの社員だ」


 頭の整理が追い付かず、それ以上の言葉が見つからない。


「だが秘書の枠はもうない。だからお前には俺の身の回りの雑務をしてもらう」


 続けて言われた社長の言葉に、ただただ驚くばかり。


「雑務、ですか……」

「そうだ。秘書はもう決まったからな。お前には”それ以外”の重要な役割をしてもらう」

「それ以外とは……?」

「そうだな。社長室やその他の階を掃除。その他は俺に頼まれた事をやってもらう。給料に関しては聞いてやってもいいが、文句も意見も質問も受け付けない」

「なッ!? それじゃただのパワハ……」

「イヤなら今すぐ出ていけ。俺はそれでも構わない」


 そこまで言われてしまうと今度こそ反論が出来なかった。

 雑務どころの話ではない。言ってみれば”使い捨てになる雑用”だ。

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