大晦日パークストーリー

はんぺん55

第1話 

僕は大晦日の夜、大久保公園の周りを彷徨っていた。つい先ほどまで友達と飲んでいたはずなのだが、気づいたらここにいた。年を越す前にエッチがしたい。それだけの理由で友達の元から離れ、公園の周りを彷徨っている。大晦日だからか、普段は女性が何人も立っているのだが、2人しかいなかった。僕は数少ないチャンスを逃さないために、慎重になる。そして勇気を振り絞って女の子に声をかける。酒を10杯ほど飲んでいて、視界もぼやけているが、悟られたら終わりだ。僕はいたって平然とした様子で女の子にこういった。「誰か探していますか?」女の子は僕の方を見るが、反応がない。

おかしい。確かに僕は声をかけた。そして気づいた。僕は無視をされたということに。気が動転し、公園の周りを一周した。僕は一応普段は大企業に勤めている、エリートサラリーマンだ。この僕が無視をされたという事実にショックを隠しきれない。だが諦められない。どうしても僕は年を越す前にエッチがしたい。諦められず歩いていると、再度女の子の近くにまで来た。もう一度声をかけよう。そう思っていた矢先に聞こえてきた。「さっきのやつの動画撮っとけば良かった」その時僕は自分の想像以上に自分が酔っているのかもしれないと悟った。僕は早足に公園から立ち去った。

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