第4話

「本当、市原君は女子に優しいわ…」


「素敵…」



近くにいた女子は瞳を輝かせ、私は溜息を吐いた。



「…じゃ、俺B組だから。皆、ばいばい」



爽やかに去って行く市原の後を追う女子達。



「ばいばい」の意味無くなってるよ…。



私はその光景を見送り、人の減った掲示板を見た。



「栗本…栗本彩乃…、あ」



A組からざっと見ていくと私の名前はB組の場所に書いてあった。



B組……?



"…じゃ、俺B組だから"



さっきの台詞を思い出して硬直した。



あの市原と来年も同じクラス…?



そう考えたら、自然と肩が落ちていた。

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