ヴァニラのキッチン~人体実験の迷宮学士~

よくゲームで「ドーピング料理」ってあるじゃないですか。火耐性を10%アップしたりINTの潜在能力を4上げたり。やり込む人なら、キャラクターの役割に合った効果が出るように特別なドーピング料理を食べさせたりしますよね。魔法使いに魔力アップとか、タンクに状態異常耐性とか。バフ効果と引き換えに、最大HPが下がる副作用とか。侵蝕値が上がるとか。
でもって、ヴァニラの料理はもっともっと強烈です。なんせチートなスキルが生える。代わりにちょっと精神に影響したり人格変わったりしますけど。
帝都グラーテ自警団のメンバーたちは大喜び。ヴァニラは「癒やし」「常識」「節度」を併せ持った普通の子っぽい気がしますし、料理もとってもおいしいです。まるで、メンバー1人1人の身体に合わせたお薬のよう。
そしてヴァニラも大喜び。個性豊かで強い幻素を抱えた自警団員たちは、迷宮素材が人体にもたらす効果を実験する被検体にピッタリです。「薬膳料理」って、便利な言葉ですよね。
マッドサイエンティストの視点で進む善性の狂人の物語、ぜひ全話読んでください。