第9話

「何か暑い、もうタオルケットにしても可笑しく無いだろ」




夜、目覚めた皐月くんは被っていた布団を捲り上げると


ハーフジャージから覗かせる足を上に放り出した。




「タオルケットなら、其処のクローゼットに

一枚入ってるから使って良いよ」



昼間から寝てしまったせいかすっかり目が冴えてしまった。




私はベッドの中、上半身だけ起こし、軽く伸びをした後、その旨を伝える。




「一枚だけ?」




怪訝な顔をする皐月くん。



「だって一人暮らしだったし…」




そう答えると、チッと舌打ちされた。




「だとしても来賓用の為に

せめて2、3枚は用意しとけよ」




「……。」




そんな無茶苦茶な。




「だから、皐月くん使って良いって――」

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