第4話
「あぁ、真紀か。久しぶ「昴くーん!お帰り、そして久しぶりー!」
勢いよく突っ込んできた真紀を受け止めた。
「おっと、飛びつくなよ。危ないだろ」
「あはは、ごめんね。嬉しくてつい」
真紀の側にいる、黒龍の連中は誰だこいつ。という目で俺を見ていた。
「お前、黒龍の姫になったんだろ?後ろの奴等待ってるみたいだぞ」
「あ、そうだった。礼央達も待ってるんだった」
「早く行ってやれよ、俺は帰るから。またな」
え、という顔をした真紀に聡太には会わない。と言うと何で?と聞かれた。
「家にいるんだからわざわざ会いに行く必要もないだろ。それに、俺は朝に顔見たしな」
「うーん、わかった。ばいばい!」
手を振る真紀に背を向け軽く振り返す。隣にいた陽菜ちゃんは先程まで近くにいた真紀の護衛係であろう不良にビビっていたが落ち着いたようだ。
「落ち着いたか?」
「あ、ははは。佐野さんはともかくさっきみたいな人達は普段関わらないから緊張しちゃった」
まぁ、学校を見てみて思った事だが、この学校はおそらく不良と不良ではない生徒に分かれている。C組とD組の様にグレーゾーンはあるようだが、不良に関わりたくない連中なら尚更だろう。
「普通はそうだろう。気にする必要なんてない」
「そう言ってもらえるとありがたいかな」
なんて軽く話しながら陽菜ちゃんを家まで送り届けた。
そして、俺がここ高道学園に転入して一週間ほど経ったある日の放課後の事だった。
一週間もするとあの鷹宮聡太の兄貴という事でザワザワしていた学校も落ち着きを見せていた。
そして、俺も自分がイケメンの部類に入っている事は自覚していた。
「鷹宮君、好きです。私を彼女にして下さい!」
告白ラッシュを迎えていた。
弟は勿論イケメンだろうが、不良である為A棟の女子は近づけない。
だが俺は?
聡太の兄なので、顔は良い。真面目というわけではないが、不良でもない。基本的に優しいという評判がある為近づきやすいのだろう。
A棟の男子は真面目系、スポーツマン系が多い。
俺はこの棟では珍しい部類の男子のようだ。
「ごめん、今はそういうの考えてないんだ」
「そ、うですか」
彼女は頭を下げると走ってこの場を去って行った。
「あ?聡太!もしかして、お前の兄貴じゃね?」
そんな言葉が背後から耳に入り後ろを振り向くと黒龍の連中が後ろに立っていた。
「やっぱ、聡太の兄貴ってモテるみたいだね?」
「喧嘩できんのか?」
「」
「あはは、どうも初めまして」
個性豊かすぎじゃないか?
「どうも、初めまして」
「初めまして、俺っとと」
黒龍の副総長である宮原廉が俺に挨拶をしようとしたときだった。
近くにいた聡太が宮原の襟元を掴み俺を睨みつけた。
「こいつに、挨拶なんて必要ねぇ」
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