第28話

「・・・わかったよ・・じゃあ先に遥はばばの家行ってなよ・・私リョーマ連れてあとから行くから・・」



「・・・・うん!!(かなり笑顔)」


やはりこのパターンになるのだ

やはり私はまた1日を虫に費やすのだ


ならばせめて・・・

一服だけはさせてください



今から虫たちとまた戯れる前に・・

私にエンジンをきかせてください・・


そう自分の中で決断したばこに火をつけた



その時だった



「きゃーーーーーーーー!!!

おばちゃーーーーん!!!」



「ぎゃーーーーーー!!!」



遥と鈴子さんの悲鳴が響いた




「????????」

まるでそれは強盗にでも押しかけられたような

それはそれはすごい悲鳴だ



何があったというのだ



まさか本当に強盗が?

こんな田舎でもやはり

フジテレビあたりが取材にとうとうきちゃう??



そんな考えをふりきり

私は急いで重くなった息子を担ぎ

鈴子宅へ急ぐ



ドアをあけたその瞬間!!



「助けて!!!!!!!」

「おばちゃん!!!まっくろいの!!!でっかいの!!!!」



そこには親指大ほどのゴキブリが2匹ほど

空中遊泳している現場であった



「・・・ごきぶりやんけ・・」



そうなのだ

意外とごきぶりは私は平気なのだ



なぜならば

ごきぶりは「いない」というのがありえない存在だからなのだ

「必ずどこかにはいる」

そう頭の中で日常思っていればなんてことはない



コックローチさえあれば

5秒でゴキブリに天使の輪がつくものだ


なのに目の前の2人はすっかり

あわてふためいている



その2人を冷静に見つめ

しみじみ血族なのかとどこか考えさせられる



「あんた!!!何ぼーっとしてんの!!早くキンチョールやんなさいよ!!」

鈴子さんが怒鳴る。

鈴子さんは未だに「コックローチ=キンチョール」

という頭があるらしい



しかし私の手元にはそんなものはない

しかも息子を抱えているのにキンチョールって



あんた

息子危険やんけ



しかしゴキブリは空中遊泳をやめることはない


さぁどうしようか



そんな時だった

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