第9話

日々成長していく息子を横目に

今日もだるだるな私。


そう

私は夏に非常に弱い



そして

何より




うるさい




そう




うるさいのだ



みんみんぜみちゃんが



うちの環境を最大限に利用して

よってたかって

みんなで輪唱オンパレード





今時の言葉で言うなら



『うざい』



この一言できれいにおさまるだろう




そしてそんな日は



我が家の虫女が

黙って見ている訳がないのを




私は知っている




『おーばちゃん』



今日こそは無理だぞ

『あそぼー』



外から聞こえるその声は



最近たいこの達人にはまりつつある虫女



そう

遥だ




いつもどんな断り方をしようが

有言実行を貫かれてしまうため



私はある対策を練っていた…




『おばちゃーん?寝てるの…?』



そう

私が考えた対策



『リョーマとともに寝てるんだよおばちゃんは。だから起こさないでね』作戦



これならだいじょぶだ


これならいくら遥ともいえど簡単には上がってこまい



ふふふ…

そしてたばこに勝利の灯火をしようとしたその時



『起きてるなら返事くらいしてよねおばちゃん!』




…………



…………



上がってきたんかいっ!

しかも首にかごさげて!




あんたそれよく夏休みの宿題の表紙になってる子供やん!



『人に声かけられて返さないのは常識はずれなんだからねー』




なんか当たり前のこと怒られてます私



えぇ今年25です




なんかモラル的なこと指摘されてます



しかし

黙って階段上がってくるのは常識に当てはまるのかと

六歳児の行動に大人な指摘をしようとする

大人げなさに気づき



私はとりあえず

聞こえなかったふりで軽く謝ることにした

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