第13話
そして次の日、弁当を作って食べてもらうと、彼は予想以上にそれを気に入ってくれて、最初は渋っていたがやっぱり毎日作ってきてほしいと言うので私はそれを拒むわけがなかった。
それからお昼は一緒に食べるようになった。
***
「おーちゃんって、女の子、好きになるのかな…」
試薬を合わせながらぽつり呟けば、ぶほっと汐里だけでなく同じ班の男子二人も同じように噴き出した。
なによ。あんた達失礼でしょ。
なんて思うが、おーちゃんが女子を好きになるところが想像できなくて項垂れる。
「碧ってまじで橘さんのこと好きなんだな」
「あんたたちそんなこと今更知ったの?ぞっこんよ、ぞっこん」
「他にもいい男がいるだろうに…」
「でも碧だから男もなびかねえんだよ」
「なるほど」
三人がそんな失礼な事を話しているがツッコむ気も失せるくらい悩んでいる。
訊いてみようかな。
でも訊いたとしてもきっと笑って上手くかわされるか、男が好きって断言しそうだな。
…断然後者が有力だな。
「碧。悩むくらいなら訊きなよ」
テンションが下がりきって何もツッコまない私に汐里は言う。
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