第2話

百年前。


「みて、あれが蛇女だって、気持ち悪いわね〜、あんなものを神社に祀るなんて…あの神主、頭がおかしいんじゃないの?」

「ねぇ、いいこと考えたわよ、」



『蛇神様、遊ぼう!』

「…」

『なぁに、これ?わぁ!きれいなすみれ!くれるの?』

「…」(無言で頷く)

『ありがとう、そうだ!蛇神様、すみれちゃんって、よんでいい?』

「…!」(嬉しそうに頷く)

『えへへ、ありがと、すみれちゃん!』


あの日、平和にお話してただけ。蛇神様は優しかった。


あの夜。悲劇が起こった。


『すみれ、ちゃん?…ねぇ、ねぇってば!なんで…?なんでよ…』


すみれちゃんは、ぼろぼろになっていた。

どうやらすみれちゃんを気味悪がった村の人がすみれちゃんを殺そうとしたようだ。


『ゆるさない、ぜったい、ゆるさない』

あの日、ぼろぼろのすみれちゃんを見てから翌日までの記憶がなかった。

どうやら一晩で、村を崩壊させたらしい。

あり得ないだろうが、私の怒りはそれだけだったのだ。


あの日以来、すみれちゃんは私が守る、と決めたのだ。


だからお嫁さんにした。神と結ばれたものは番の神が死ぬまで、半永久的に不老不死になる。だから。すみれちゃんとずぅっと一緒にいる、と決めたのだ。


幸いにもこの辺りは森が広がっている山で、人間は入ってこない。

ずっと二人きりだ。


すみれちゃんは、死ぬまで、私と一緒。

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