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虚の子

虚の子

二ノ前はじめ@ninomaehajime

おすすめレビュー

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★★★
★26
9人が評価しました
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本文ありのおすすめレビュー

  • 小野塚 
    1603件の
    レビューを投稿
    ★★★ Excellent!!!

    紙垂の巡る御神木の、虚に在りて見つめるモノ。

    穏やかな午後の日差しの中で、子供達が
    楽しげに遊んでいる。森閑とした神社の
    境内の隅で。
          只、それだけで満足だった。

    仲間に入るでもなく見ているだけで良い、
    見ているだけが良い。そんな型に嵌らない子どもだった。
            だから、気が付いた。

    大きな御神木の根元の 虚 に。

     眩しげに目を細めて、じっと見ている
    虚の中の、 その子 の事を。

    微睡を齎す穏やかな日差しと、微かに吹き
    抜ける暖かな風。さわさわと葉を揺らして
    境内を抜けて行く。

     けれどもそれは紙垂を巻かれた榊の樹。

    異界と俗界を分ける御神木。


    榊の木言葉は『控えめな美点』そして、『揺るがない』『神を尊ぶ』という。

    • 2025年3月4日 09:51