イツツ
第9話
今日も彼に話し掛けられなかった。
そんなあたしはとことん意気地無しだ。
「真太郎さんっ、帰りましょっ!」
「おー、つーか瑠依今日暇なら家来いよ、お袋が会いてぇって五月蝿ぇんだよ」
目の前で繰り広げられるカップルの会話にあたしは耳を塞ぎたくなる。キキタクナイ。
『…好きです、付き合ってください』
『あー、俺女居るし無理だわ悪いな』
丁度あたしが一年生の頃に一目惚れした彼に勇気を持って告白したけど見事に玉砕。
彼の言う彼女って言うのは1つ歳上の先輩で、学校内でも有名な程に可愛くて守りたくなるような小柄な先輩だった。
そんな彼の今の彼女は前の彼女と正反対の見た目で、ギャルだし派手だしおまけにスタイル抜群の綺麗な子。2つも歳下で性格もキツそうな子。
「え!本当?!あたしもママに会いたいから行きたいです!」
そんな彼女を愛おしそうに見つめる彼は、あたしの片思い相手。彼が彼女を見る度に胸が張り裂けそうになるけど、振られたあの日からあたしは彼に話し掛ける事を恐れてる。
今日も意気地無しのあたしは、彼に対してなにも行動出来ない。
(今日も、好きだなぁ…)
彼女に向ける優しい目でさえも好きだと感じてしまうあたしは、きっと彼の事が未だに好きで好きで堪らない。
今日も彼女と肩を並べて歩く彼を後ろから見つめて一人で落ち込むあたしは、きっと大馬鹿者だ。
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