第21話 どんぐり焼いたみたいな

ユキチは子猫の頃、まあよう屁こいたもんや。抱っこしたら屁。追いかけっこしながら屁。嫌がって逃げる時にも屁。

そんでその屁がまた臭いのなんの。

兄曰く『どんぐり焼いたみたいな匂い。』

何を言ってるかわからんやろうけど、まさしく兄の言う通りなんよね。

嗅いだらわかる…『どんぐり焼いたみたいな匂い。』上手いこと表現したもんやでぇ…兄。


何であんなによう屁こいてたんやろ??

特にお腹が弱いとか何か病気とかそんな事もなかったけどなあ。

まあ屁はこきまくるものの元気モリモリやったし、ご飯もよく食べてた。

だから何て心配する事もなく、どんぐり焼いたみたいな匂いの屁をかましつつ年月は過ぎていった。


気付いたら屁をこかんくなってた。

全然こかんわけやないけど、ほんま稀にこくって感じ。

そうなると懐かしさをかんじるもんなんよねぇ…不思議。久々に嗅ぎたいと思ってみたり。

ま、屁こくの待たんでもユキチのうんこの匂いがまんま屁の匂いと一緒やったから頻繁に嗅げるんやけどね!


屁もうんこも『どんぐり焼いたみたいな匂い。』ほんまなんでやったんやろ?


とりあえずその匂いのおかげで猫だくさんな我が家のトイレの中でユキチのうんこだけはわかるっていうね。なんせ匂いが違うからね!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る