中学時代ボッチの俺は県内1の進学校に首席で入学する。その成果でクラスの美少女を含む女子達からモテる。一方、同じクラスの中学で俺を馬鹿にしていた陽キャは勉強ができず落ちこぼれ盛大に悪目立ちする。ざまぁ〜

白金豪

第1話 そして今

 成瀬悠太は中学時代に全ての学年でボッチになっていた。


 それはつまり、中学1年、2年、3年でクラスで孤立していたことを意味する。


 しかし、決して見た目が不潔ではなかった。逆に身なりには気を付けていた。


 髪は少し長かったが、サラサラ感のある黒髪であり、制服もシワシワな物を1日も着用したことは無かった。


 しかし、雑談をするような友人は作れなかった。


 この事実は小学生時代にボッチの経験のない悠太にとって非常に精神的に苦痛であった。それこそ学生時代には経験したことのない苦しみであった。特に誰かから話し掛けて欲しいという欲望が常に脳と心を支配した。


 だが、誰1人として話し掛けてくるクラスメイトは存在しなかった。3年間、授業や要件など必要事項があるとき以外は決して無かった。


 そんなボッチの不安を消す、または誤魔化すために、悠太は常に教室で勉強に取り組むようになった。勉強に集中することで不思議とボッチや孤独から起因する不安を和らげることに成功する。


 中学1年生の2学期に、この方法を発見したことをきっかけに、悠太は学校で常に空いた時間を勉強に捧げるようになった。その対象として、休み時間、昼休み、授業の自習時間が挙げられる。


「お前って常に友達いなくてボッチだよな! 本当に滑稽だぜ。大変だな! ぼっちは寂しく勉強しか出来なくて!! 」


 しかし、中学3年生時、そんな悠太をバカにする陽キャ達が現れた。


 そのリーダー格の名前が岡本大介。クラスでもスクールカーストの高い陽キャであった。


 染めた金髪に少しヤンキー気質のある整った顔立ちから女子から非常に人気があった。中学時代は常に彼女がおり、学年で人気な女子達との付き合いも豊富にあった。


 だが、そんな大介達の嫌がらせを頻繁に受けながらも、悠太は抵抗するように必死に勉強を続けた。


 バカにされ、いじられ、クラスや笑い物に何度もされても、1日も欠かさずに勉強を続けた。


 来る日も来る日も少なからず苦痛を感じながら、かき消すように日々勉強に精進した。


 その結果が約1年後に身を結び、悠太は県内1の進学校である海上高校に首席で合格した。


 その幸福な出来事は悠太にとって嬉しいことだった。自分の努力が報われた気がした。


 しかし、良いことだけが起こることは無かった。中和するように気に入らないことも発生する。


 なんと、散々に悠太をいじり、バカにし、笑い物にした陽キャのリーダー格の大介も海上高校に補欠合格した。しかも奇跡的に入学辞退者が出て繰り上げの形で大介の合格が決まった。


 その事実を知った悠太は同じクラスにならないことを日々祈っていた。自身を見下し、悪く言う大介と同じスペースで時間を過ごしたい気持ちなど微塵も生まれなかった。


 しかし、神は残酷であった。


 悠太と大介は不幸にも同じクラスになってしまった。まるで試練を与えるように。


 悠太は何度も昇降口に貼り出されたクラス表を確認したが、見間違いはなかった。


「中学と同じように高校でも宜しく」


 偶然に遭遇した大介は中学と変わらない見下しつつヘラヘラした舐めた態度で何処か楽しそうに悠太の肩に馴れ馴れしく手を置く。


 衝撃の事実にショックを受け、憂鬱な気分を抱えながら、悠太は配属されたクラスの教室へと向かった。


 この時、悠太は高校生活に1ミリも希望を抱かなかった。それも大介と同じクラスになった事実が原因である。


 しかし、物事は意外な方向に進むことになる。世にも珍しい勉強ざまぁ? それとも学力ざまぁが起こることを、この時は知る由もない。


⭐️⭐️⭐️

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