転生幼女の研ぎ師伝説~スキル磨研で聖剣量産~

とまと

第1話

ミチェの履歴書

35歳 刀剣女子死亡(前世)

0歳 異世界にミチェ誕生

1歳 本物の剣に大興奮

2歳 鍛冶師を目指す  

   鍛冶師になる夢が散る

3歳 スキル判定

   魔物に連れ去れる←今ココ

?歳 伝説の研ぎ師爆誕(予定)



 どうも。

 あたし、ミチェ。3歳の幼女。

 剣と魔法のなーろっぱ風異世界に転生した、元刀剣女子(日本産)。

 もう一度言おう。ここは、剣と魔法の世界!

 リアルな剣が身近にある世界なんて最っ高!

 私、鍛冶師になる!……と、思っていたこともありました。

 あ、鍛冶師の娘ってわけじゃなくて、どこぞのお嬢様。どこかはわかんない。使用人が「お嬢様」というから「お嬢様」だと知ってるだけ。

 家の中じゃ家名も職業も誰も言わないんだもん。


 でもって、今、あたし、絶体絶命のピンチです。

 鷲掴みにされて、お空飛んでます。

 大鷲の3倍くらい大きな大きな鷲のような魔物に鷲掴みにされて、……運ばれてます!

 地上何百メートルの上空、おうちの裏山からはるか遠くに運ばれてる途中です。

 落ち着け、落ち着け。

 どうしたら助かるのか、考えるのだ。

 落ち着……

「うわぁーん、こわいよぉ!たしゅけて!うわーん」

 くっ。しっかり記憶も脳も大人なのに、精神と感情は子供だよっ。

 怖くて泣いちゃうよ、そりゃ、3歳だもん……。ミチェ、まだ、3歳だもんっ。

 じたばたと暴れたら、きゅっと鷲の魔物が落とさないようにと私を締め上げた。

 ぐえっ。

 おなか押えたら口から何か出るよっ。

 と、思ったけど、出ない……。

 逆に、空腹を思い出した。

「おなかしゅいたー、うわーん、おなかしゅいたよー!」

 さっきまで怖くて泣いてたのに、今度は空腹で泣けてきた。

 仕方がない、だって、ミチェは3歳だもん。

 しばらく泣いて疲れて脱力。

 精神が疲れ切ったところで、知能の出番。

 鷲の魔物はまだ飛び続けている。ものすごい速さで飛んでいるのは、飛行機に乗っているときのような景色の変わり方で分かる。

 もしかすると、飛びながら何らかの魔法を使っているのかもしれない。スキルかな?スピードの割に無風だし。

 風魔法系とか?

 この世界は、剣と魔法の世界……なんだけども。魔法って何?状態。

 刀剣女子の私は、剣が好きすぎて、魔法とか本当に興味がなかったんだよね。

 私の興味は剣にしか向かなかった。

 魔法が使える使えないで一喜一憂したくなかったし。

 っていうか、私の目標はとにかく鍛冶師になること!

 だって、本物の剣がある世界ってことはさ、剣を作る鍛冶師も職業として成り立ってるってことだよ?

 しかも、しかも、し、か、も、ドワーフ様がいるのよ!

 ドワーフがいると聞いた時のあの感動は今でも覚えている。

 早く大きくなってドワーフに会いに行きたい!

 鍛冶師の弟子になりたい!それしか頭にない幼女だった。



 

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