第5話

もう一度扉があった場所を見る。やはり、そこに扉はない。


七不思議の七つ目は本当だった。そして、七不思議に相応しすぎるほど、不思議な出来事だった。


他の部員や意見をくれた人に結果を伝えるか悩んで、とりあえずスマホを見る。そして、驚く。


部屋に入ってから、まだ五分しか経っていなかった。感覚ではもっと話していた風に感じたのに。


そして、私は彼との会話や、彼の雰囲気、そして真面目に話していた時の彼をを思い出して、決意する。


この不思議な出来事は誰にも言わないでおこう、と。




私はもう一度紙を見て、部室に戻り始める。


まるで、本当は体験してないんじゃないかと思うような不思議な出来事。


だけど、私の手元には、確かに彼と話していた証拠となる四つ折りにされた紙があった。



"きっとまた、彼に会える"



何故かわからないが、私はそう思った。

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確かにそこにいたんだ…。 瑠璃柚歌 @yuzuka_ruri

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