二十歳の集いに姿を見せない君へ

棘×棘

なぜ姿を見せない……


 成人式は必然的に会えると思った……のに。



小さい頃同じ学区であれば、自然と集められた子供が同じ教室で一緒に何も考えなしに勉強する空間にいた君。

……知らないうちに惹かれ合い、想いが通じた君。


どんなに思っていても……思春期の気持ちは真っ直ぐには行かなくて……好きで好きでどうしようもない想いから別れたあの日から、早数年。


両片思いから、片思いになったのはいつなのか。君の気持ちを確かめる術は、君との縁が切れてから持っていなかった自分には確かめようがない。もしかしたら、出会いがあって、自分よりも素敵な人と出会えた?それとも、まだ、自分のことを思ってくれている?


確かめたくても確かめられない。そんな日々を自分は送っていたよ。


成長期の時期を見届けることができなかった自分には、君が大人になった姿を必然的に見れると思っていた催しである『その日』に少し……いや、凄く期待していたのに……。


当時お互いに誰が好きであったか、お互いに結束してその想いを相手に伝えるか否かを楽しんでいた友人と『その日』のために再会し、当時の恋心について花を咲かし笑顔で話していた自分。


その友人の当時の想い人は、『その日』である『成人式』にいた……。

当時の想い人が見つかったらお互い教え合おうね。って言い合い『その日』を迎えた結果、友人の想い人を先に見つけてしまった自分。

なぜ……??私の想い人を見つけるより先に、友人の想い人を見つける。


隣にいる友人は、満足顔。私は、表面では気にしてない風を装っていた。裏面は、なぜ?君はいない?


名前を知ってる人。そこまで関わらなかった人。よく話してた人。絡んでた人。相手は覚えてなくても自分は覚えてる人……。


そんな人達は、私の眼の中にたくさん目に映るのに………。


なぜ、1番目に入れたい人物の姿を捉えられない?

友人の背中についていきながら、平然を装って何回も何回も、何回も見回して。


当時、君が仲良かったグループの塊も見つけたのに……。そこに、君の姿はなかった……。


必然的に出会える機会は『その日』しか無いと思った。

君が気づいてくれたら嬉しいだとか、勝手に思っていた。


君と出会った日から1番着飾っている『その日』。

人生で1度しか着れない姿を君に見てもらえる『その日』。


自分が君の1番着飾っている姿を焼き付けたかった『その日』。

自分が人生で1度しか着れない君の姿を目に焼き付けたかった『その日』。


君は来ない選択を選んだ。現在いまの姿を自分に見せるのは嫌でしたか…?

それとも、自分の存在を忘れた……?


必然的な出会いを期待した自分がバカみたい……

また、再開できるって思った自分が。勝手に想いをまだ持っていることが、君への想いが……全て。バカみたいに溢れてくる。


でも、1度絆された心はどうしても忘れられない。

お互いの絆された心は、嘘でないと信じて……現在いまも君への気持ちは変わらない。だから、せめて結果論だけ聞きたいな……。


   そしたら、次のステップへ進めると思うから。


      当時に向かって叫びたい思い。

        【君は幸せでしたか?】


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