B.S.Sルーティング ~好きな人の好きな人が、明日も好きとは限らない~
尾岡れき@猫部
鹿島衣織の好きな人
「
「……悪気はないんだろうけどね」
「宗介君が諒也だったら良かったのに」
むすっと、私が頬を膨らませる。
「その場合は、僕が諒也で、諒也が僕だから、関係はあまり変わらなくない?」
「むー。実はこの宗介君は、諒也?」
「バーロ」
「諒也はどっかの小学生探偵みたいなこと、言わないって! ふふ、確かにハーレム気質はあるかもだけど」
宗介君は、真面目な顔をして、そんなことを言う。
あの超有名探偵漫画の場合、それでも一途に幼馴染みを想い続けていたけれど。諒也はどうなんだろう?
諒也は、いつだって人気者だ。
今日だって、生徒会本部――通称、女神の花園にお呼ばれされている。私がそんなに頭が良くないから、諒也に教えるのは無理だけれど。今頃、きっと鼻の下をのばしながら勉強しているんだろうなぁ、って思うと。妙にキモチがツンツンする。こんな私の愚痴に、いつも付き合ってくれる宗介君……本当に申し訳ないと思う。
「すごいじゃん、前に教えたところ、全問正解だ」
「……それは、宗介君の教え方が良いから」
そういうところだ。本当に、宗介君は優しい。
「うん。それなら、嬉しい」
にっこり笑う、宗介君に見惚れてしまう。
(いや、いやいやいや――)
私が好きなのは諒也で。優しくされたからって、気持ちはブレな――。
「ん?」
にっこり笑う、宗介君から目が離せない私だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます