第37話

翌朝、私は仮病を使って病院を休みました。

(どんな顔をして…先生に会えばいいの…)

私は自己嫌悪に浸っていました。目をつぶれば草馬先生の哀しい表情がまぶたの裏に浮かびました。


その日の夕方、電話が鳴りました。

「…もしもし…?」

「あっ、亜弓ぃ?大丈夫?」

それは博美の声でした。

「…じゃなくてぇ!ちょっと亜弓、大変よ!そッ、草馬先生が…!」

その名前に、心臓がどくんと鳴りました。

「草馬先生が、いなくなったって!」


…目の前が真っ暗になりました。


「無断欠勤したから、事務局が家政婦さんに尋ねたら、昨夜どこかに車で出て行ったっきり連絡がつかないって…亜弓?亜弓ぃ!」

博美の声が次第に遠くなっていき…私はその場にへたり込んでしまいました。

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