第23話
(何を話しているのかしら…)
私は自販機の陰に隠れて、耳を澄ませました。
2人は空気清浄機に肘をついて、何か深刻そうにひそひそと語り合っていました。
「……寒いと……痛くて……」
「……仕方ないだろう、無茶するから……」
「……頼みます……夢幻さん……」
「……判った、それじゃ……に……」
会話の内容はよく聞こえませんでした。
やがて、彼らは煙草を揉み消し、それぞれ別の方向に立ち去っていきました。
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