「…嘘ッ…！冗談でしょう？」

私は動揺しました。後頭部を殴られたかのような激しい衝撃でした。

「院長室で草馬先生が話してるの聞いちゃったんだもん。本人は『婚約を破棄した』って言ってたけど…どうも婚約者が愛想をつかして出て行った、ってのが実際の所みたいよ」

「…そんな…まさか…！」

「どうしたの？確かに衝撃的なニュースだけどさ、亜弓が取り乱すことないじゃん」

目を丸くして首を傾げる博美。

「ええ…ちょっと、驚いただけよ…」

私は取り繕うように苦笑しました。

しかし、頭の中では、あの時の礼子の言葉が響いていました――

（それって…『呪い』の儀式だろ？）

――まさか、私の『おまじない』のせいで――？

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