第18話

その兄は今、私の足下で大きな口を開けて、ぐっすり眠っていた。

「ちょっとぉ!こんなとこで寝られたら、うちが寝れんのじゃけど!起ーきーろー!」

私は兄にまたがり、その胸ぐらをつかんで、ゆっさゆっさと揺さぶった。

「…ん…んん…?」

兄はうめき、うっすらと目を開けた。

「あ、やっとお目覚め?おはよう」

私は嫌みっぽく言った。兄はとろんとした半眼で私の顔を見つめ…突然、ニッコリと笑った。

「あ…マユちゃ…帰ってきたんだね…」

「はぁぁ?」

私は素っ頓狂な叫び声を上げた。

「…うわっ!このみ!お前、何でここに!」

「それはこっちの台詞じゃー!」

正気に戻った兄を、私は容赦なく叩き出したのだった。

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