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第1話
「凶器は爪切りです」
「…ゆ…許さねぇ…」
「被害者は首下から乳房の間を通り下腹部に至るまで鋭利な刃物で真一文字に切られています」
「ああ…俺の愛するカナちゃんがこんな酷い有り様に…って、違うだろーッ!」
腕に子猫を抱いた黒ずくめの男が叫んだ。
「んも~、うっちゃん、大声出さんといてや~。耳痛いわ~」
玩具のマイクを持った関西弁の女が、トロい口調で答えた。
「うるさい、れんげ!まるで俺様の大事なカナちゃん(アメリカンショートヘア・雌・六ヶ月)が殺されたかのようなナレーションすんな!縁起でもねえッ!」
「猫のヒゲが切られてたんより、惨殺された方がお話的におもろいかな~思たんや~♪」
「勝手に話を作るなー!」
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