第17話 津波
鉱山を脱出した三人は、デスノートの力を封印するため、島の最北端に位置する灯台へと向かった。そこは、古くから島の守り神が祀られている神聖な場所であり、強力な霊力が宿っていると伝えられていた。
「…ここで、デスノートを封印する」
赤坂は、決意を込めた声で言った。
「…だが、どうやって?」
影沼が、不安そうに尋ねた。
「…灯台に伝わる儀式を行う。それには、特別な道具が必要だ」
島野は、灯台へと続く階段を駆け上がりながら答えた。
灯台の最上階には、祭壇が設けられていた。そこには、古びた巻物と、特殊な形状の水晶が置かれていた。
「…これだ」
島野は、巻物と水晶を手に取り、祭壇の中央に置いた。
「…儀式を開始する」
赤坂は、デスノートを祭壇の中央に置き、巻物に書かれた呪文を唱え始めた。
すると、祭壇から眩い光が放たれ、デスノートを包み込んだ。デスノートは、苦悶の叫びを上げ、その力を解放しようと抵抗した。
その時、島全体が激しく揺れ始めた。海面が異常に隆起し、巨大な波が島に向かって押し寄せてくる。
「…津波だ!」
影沼が、叫んだ。
「…儀式を続けるんだ!」
島野は、赤坂を励ました。
赤坂は、必死に呪文を唱え続けた。デスノートの抵抗は、ますます激しさを増し、祭壇から放たれる光も、不安定に揺らめいていた。
「…くっ、力が足りない!」
赤坂は、苦悶の表情を浮かべた。
その時、影沼は、祭壇の水晶に手を触れた。すると、影沼の体から、眩い光が放たれ、祭壇の光と融合した。
「…影沼!」
赤坂は、驚きの声を上げた。
「…わたしも、力を貸す!」
影沼は、必死に叫んだ。
二人の力が融合した光は、デスノートの抵抗を完全に抑え込み、ついに、デスノートは静かに光の中に消えていった。
同時に、島を襲っていた津波も、静かに引いていった。
「…やった!成功だ!」
島野は、安堵の声を上げた。
三人は、疲労困憊しながらも、互いに笑顔を交わし、デスノートとの戦いの終焉を祝った。
しかし、彼らの戦いは、まだ終わったわけではなかった。デスノートの力は、完全に消滅したわけではなく、いつか再び蘇るかもしれない。
三人は、デスノートの力を監視し、再び悪用されることがないように、これからも戦い続けることを誓った。
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