蕾が綻ぶまでに

Dai根

第1話 悩まされてる病状

夏休みが終わり数週間経ったある日のこと…

「ただいまお母さん、今日もだめだった…」

彼女は中学三年の[早川蕾(はやかわつぼみ)]

彼女は三年進級直後のあることが原因で学校を休みがちになってしまっている。今日は登校したもののお昼前に早退してきてしまったようだ。

「おかえりつぼみ、今日は学校に行けただけえらいよ、また少しずつ行けるようになればいいじゃない。」

母はそう言った。

「でも出れない授業があるせいで勉強についていけないよ。このままじゃ志望校に行けなくなっちゃう。」

「今は体調を治すことが第一優先なんだしもしも志望校にいけなくなっても仕方がないじゃない、いつからだって挽回できるんだしそうネガティブにならないの!」

「そうかな…(もしも体調がいつまでも良くならなかったらどうしよう…)

「さてと!お母さんは今から仕事に行ってくるからね、夕飯の時間までには帰ってくるから今日はゆっくりしてなよ。」

「わかったよお母さん、気をつけて行ってきてね」

「ガチャ」

「お母さん行っちゃったかー、家は一人だしとりあえず横になるかー」

蕾は自分の部屋に入り、ベッドに横たわった。

「一人は気楽でいいけど、時々考え込んじゃって気づいたら時間が過ぎちゃうことがあるんだよなー、それにさっきのお母さんには少し悪いことしちゃったし、私ってほんとだめだなー、お兄ちゃんは今年から大学生で普通に行けてるのに、私なんて半日で帰ってきちゃう、これから私どうなっちゃうのかな、ちゃんと進学できるのかな…」

「だめだめ!私ったら、さっきお母さんに言われたばかりなのにまだネガティブになってる。授業に出れない分、家で勉強してないと!」

そう思った蕾は、ベッドから立ち上がり、学習椅子に座って教科書とノートを開くのだった。

「えーっと、ここはこうだからこうなるんだよね、ノートにしっかり書いとかないと………ってなんか文字が上手く書けない」

「サッサッ」

「んっーうまく消せない!」

「ゴシゴシッ」

「あ〜他のところが消えちゃった!」

こうしている間に数分が経ち、

ノートは手汗で破れてしまった。

「あーもうだめだな私、こんなどうでもいいことが気になって全然先に進まない。ほんとにどうでもいいとわかっても気が済まない、これも全てあの病気のせいなんだよな…」

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