第20話
なんだろうと首を傾げると、「これもだ」と黒須さんが海老の模様が入った持ち手付きの紙袋を渡してくれた。
「今日明日で着るだろうってことでこれ、真島から預かった」
「真島さんから……?」
真島さんから預かったという紙袋を手渡されたので受け取って中身を見る。
中身はモフモフとした物とスウェットみたいな素材のやつと中身が透けない様に袋に入った何かが入ってた。
モフモフしたこのスウェットみたいなやつは初めて見たけど、このビニールは何だろう?と袋の口を少し開けると見覚えのある毛玉だらけの黄色の布が見えた。
黒須さんに見られないように恐る恐る取り出すと、見えてきたのは上下揃った黄色のブラとパンツ。
3年前に買って何回も着用していて、かなりくたびれていたけど少しお高めだったこともあり、なかなか捨てるに捨てられずタンスの奥に押し込んでいたはずなのに。
「はるこちゃんのアパートの管理会社はあの人達のフロント企業だから、合鍵があるんだろうね。真島がはるこちゃんが困らない程度に必要な物を持ち出していたみたいでね」
「それで……」
それでここに私のブラとパンツがあるのか。
事情が事情だけに仕方ないと思いつつ、家に入られてたのに気が付かなかった私の鈍感さに驚いてしまう。
けれどそんな私に黒須さんは紙袋を見ながら淡々と話をしてくれる。
「真島ははるこちゃんが困らないように色々と陰で動いていたみたいだよ。服は揃えたけど家具に関しては俺の家の間取りに合う物がわからないからってお金を渡されて、それで揃えた」
「……そうなんですか」
一部屋分の家具を揃えたり、クローゼットの中にあるウニクロの紙袋とかかなり大きいから結構な額な気がする。
名倉さんに見つからないように黒須さんとやり取りしたりとかなりリスクが高いだろうに、そこまでしてくれるだなんて。
「ちなみに転出届も出してるみたい」
「いいんですか、それ」
「ダメだね」
委任状とか必要だろうからどうやったのだろうと思ったけど、まぁ知らなくて良いか。
転出届を本人の知らないところで出しているのはいけないけど真島さんが本当に私のお母さんの従弟だから色々手を回しているのは本当に従弟だからな気がする。
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